シンポジウム概要 神奈川県が今年3月に策定した「さがみ湾文化ネットワーク構想」を背景に、相模湾の海岸美化をテーマにした行政と市民団体による連携の在り方を考えるシンポジウムがこの度開催されました。 沿岸の魅力的で多彩な地域資源を、市民活動と連携することで生かそうという取り組み。 今回のテーマである美化活動にかかわる市民団体メンバーや市民や学生約120人が参加するシンポジウムとなりました。
美化財団の活用による実現を 環境応援団いっぽは、相模川の活動を例に、美化財団が存在することの重要性を説明。従来機能の活用とあわせて、交流の場として空間的な活用の余地があると提言しました。 同時に、環境意識だけではなく、フードやアートなど「楽しい」という気持ちともつながる魅力的な空間を提供していく工夫が必要なことを提言しました。
■行政の課題(担当者の人事異動、縦割り構造によるもの) 行政特有の課題でもある人事異動などによって、継続的な取組みが難しい課題についても議論が展開されました。行政からも課題の認識や解決に向けて前向きな発言がありました。米村先生のコーディネートで、今すぐ抜本的な改革は望めなくても、できること、できるところからはじめるという建設的な話し合いがなされました。
今できることから、やれることがあるはず 環境応援団いっぽは、「様々な制約条件を受け入れた上で、何かできることがあるはず。行政担当の引継ぎ媒体として『活動の事実』や『空間』が存在することで、それを補うことはできるはず。今できることからはじめて、今ある仕組みを育てていくことで代用できる」と、なぎさ事務所や団体同士の交流活動の事例を示しながら提言しました。
■相模湾のごみの流れを考える 海岸美化には、海岸だけではなく、その流れも意識した活動が大切であることが話し合われました。 環境応援団いっぽ活動を事例に、相模川の廃棄物の状況、抜本的な解決に必要なことなどが話し合われました。
相模湾の美化には、相模湾沿岸の取組みだけじゃ足りない ごみの流れを追って「拾う」活動を展開してきた経験を踏まえ、相模湾の美化には沿岸13市町だけの取組みに加え、主要河川上・中流域との連携が必須と提言。海岸ごみの70%が河川を介して流入していることを考えれば、源流改善が大切です。大事なのは、行動に移せるかどうか。環境応援団いっぽ活動を通じた相模川との連携に、他団体・行政と連携してチャレンジしたい意向を伝えました。
■海岸美化への多角的な取組みの必要性 自然はすべてつながっていることを考えれば、海岸美化に関しても多角的に捉えた取組みが必要であることは明らかです。シンポジウムでも「行政と団体、企業の連携」や「川と海」など、「つながり」を意識した意見が多く交わされたことは、これまでの歴史を背景に、より本質的な「海岸美化への取組み」の段階に入ってきたということかも知れません。 「海岸美化のためには、海岸だけの取組みだけではなく、つながりの中でネックになっているポイントを顕在化し、全体的な視点で取り組んでいくことがこれからの新しい活動になることでしょう。
■行政も変わろうとしている 縦割り構造に代表される行政の課題は、従来にくらべてどのように変わってきたのでしょうか。 今回のシンポジウムでは、行政側の積極的な姿勢が感じられた一方、すぐに変ることができない根深い部分もあらためて感じました。しかし、近年「社会実験」などのモデル事業に代表される行動と学習をバランスよく兼ね備えた取組みも増え、行政側の対応にも変化が見えるようになってきました。 行政主催のシンポジウムという堅いイメージとは裏腹に、求めているテーマは柔軟なものでした。コーディネータの米村先生のリードで、海外のコミュニティ事例を取り上げながら海岸利用者や市民活動団体が交流できる仕組みが話し合われました。横須賀から湯河原までの約150kmの海岸線に、90に及ぶ美化活動団体が存在すること、また湘南には全国で唯一「海岸美化財団」があること。これらの特徴を背景に、新しい発想が芽生えてくる希望がもてたのは大きな収穫でした。
■持続可能で主体的な活動を促す工夫 今後は主体的で継続的な活動が根付くための工夫が必要だと思います。これまでの個別団体による活動(もちろんそれも大切ですが)だけではなく、また景気によって左右される一発イベント的な活動だけではない「持続可能な仕組み」づくりが必要です。たとえば、交流しやすくするために必要なことは、必ずしも環境的な意義だけではないと思います。「楽しい」気持ちを引き出せる工夫が必要なのだと思います。それは音楽だったり、食事やカフェだったり、時にはたった一つの木のベンチだったりするかもしれません。でも、楽しみながら集まることが出来る仕組みを考えることはとても重要だと思います。 湘南には、この「楽しむ」という点で魅力的な団体がたくさんあります。こうした団体が保有している「強み」を顕在化し、共有する仕組みを目指して歩むことができたらと思います。
■仕組みを変えていくために 既存の仕組みを変え、創造していくために大切なのは「今できることからはじめること」。 そして、自分たちだけでやるのではなく、行政や学校、企業、団体同士が手をつないで徐々に活動の影響力を広げていくことだと思います。行政にリーダーシップを頼るだけではなく、自分たちでできることからはじめて、徐々に拡大していくことが大切だと思います。 トップと連携しながらも、ボトムから行動して変えていくイメージです。団体同士の交流と相互理解、連携による大きな影響力を求めて、行政も企業も団体も一体になった取組みを提案していきたいと思います。
■環境応援団いっぽとしての今後の取組み シンポジウムの結果を受けて、現在取り組んでいる「相模川・猿ヶ島利用者連絡会」を軸に、河川での活動団体同士の交流コーディネートや、河川での活動団体と海岸団体との交流コーディネートを開始します。地域交流センターの米村先生がアドバイスをして下さったとおり「小規模からはじめていくこと」を大切にし、行政の協力と支援を得ながら、既存の施設や仕組みを活用した交流を提供することで、行政と市民の連携を強化できればと思います。
近い将来、第二の美化財団が県央にも設立され、海岸と連動した包括的な美化活動が展開できる日を楽しみにしています。
●河川の上下流域の交流 ●交流の空間作り(既存の施設を活用した交流空間づくり) ●学校との連携
環境応援団いっぽでは、このテーマ(宿題)について実際に活動を展開していこうと思います。 このページをベースに、今後の経過報告なども発信していきますのでお楽しみに。
学校法人 聖和学院 学生の皆さん
What's聖和学院? 神奈川県逗子市にある私立学校。これからの世界のなかで活躍する、数多くの子女の育成をめざしています。
相模湾を守ってゆくためには『まずは言葉でも遊びでもいいから人に伝えること。人と交わることから始めたらどうかな』と思います。知ってる人が知らない人へ伝えてゆくことはとても大切。それには自分のフィールドを越えて人と接することも重要かもしれない。中でも誰もが楽しみ、感じ合える音楽を媒体にすることを提案します。エコサーファーが今からできることとして、『友達を増やす!イベントに参加する!イベントを主催する!』みんなに伝えたいことがある。でも黙っていてはなにも伝わらない。海好きなひとはもちろんのこと、海なんて全然関心ない人にも自分の言動と行動を見てもらい、その人自身に感じてもらいたいです。 ◆堀さんが代表を務めるエコサーファーのホームページ