「この子が生まれてから、自分の自己実現欲みたいなものは見事に全部消えちゃいました。いまは、桃がすてきな大人に育ったときに対等につきあってもらえるように、かっこいい親でいたい、社会的に意味のあることをやっていたい、そういう思いがあるんです」
生まれたばかりの娘・桃ちゃんを抱いて嬉しそうに笑うのは、NGOピースボート共同代表の小野寺愛さん。
彼女が共同代表を務めるピースボートは地球一周の航海を企画し、船上で、船が立ち寄る港で、参加者と地元のNGOや学生、子どもたちが交流する場をつくりだしている。愛さん自身も乗船し、「水先案内人」と呼ばれるゲストスピーカーを招いての講演会などを企画している。
小さいころにはアメリカにも住み、学生時代からバックパックを背負ってイスラエルや南アフリカへ旅を続けてきた、まさに旅人。桃ちゃんが生まれ、旅もしばらくお預けですね――そう訊くと、冒頭の答えが返ってきた。子どもが生まれたことで仕事をひと休みし、「働き蜂」だった自分もようやくスローライフが実現できたと笑っている。
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